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株式会社ヒューマンインタフェース代表取締役 小畑 貢 が使い手の世界についてのお話をお送りします。
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補聴器体験記 9

9  体験期間4

「右、準備完了」右側の補聴器はそう言っています。電池を入れて蓋を閉じると少し間をおいて1回だけそう言って、補聴器の機能が働き始めたことをお知らせしています。
私の場合、電池を入れてから右耳の穴に耳栓を入れるのに手間どり、さらに耳に補聴器を掛けるのに手間どるので補聴器からのフィードバックを聞き逃していたのです。私にとって電池セットよりも補聴器を耳に掛ける作業の方がなかなか思うように慣れず、とくに左耳の方は何度繰返しても手間どります。そういうわけで左耳では「左、準備完了」のフィードバック音声を聞いたことがありませんでした。
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補聴器体験記 8

8  体験期間3

1週間経ったらお店に来るようにとの約束だったのでまたお店に行きました。私は右の耳栓がなかなか思うように入らないことを説明し相談しました。
 耳栓にはいくつかのタイプがあるようで、別のタイプの耳栓に取り換えてくれました。そうやって使っているのが今使っている耳栓です。耳栓を変えると今度はカラオケのようにエコーがかかりました。パソコン画面を見ながらいろいろ調整の仕方を変えてもらい自然な聞こえ方になりました。
 電源は空気電池というとても小さく薄い電池が1個、小さな補聴器の中に入ります。電池蓋を開けるとオフになり、電池を入れて電池蓋を閉じるとオンになります。
 お試し期間中、私は右側の補聴器が何かしゃべっていることに気づきました。
補聴器体験記 7

7 体験期間2

家でテレビの番組を見るとき、リモコンで音量をだいたい18か19に設定していましたが、補聴器をつけると15くらいで充分、耳の側ではっきり声が聞こえます。
数日使っていると、いままで何も入れてなかった耳の穴に朝から寝るまで耳栓を入れっぱなしなので違和感を覚えました。何となく耳穴が腫れぼったく感じました。しかしずうっと腫れぼったい感覚が続くわけではなく、忘れてしまうくらいでした。
 耳栓を耳穴に入れるのは、鏡を見ながらでもなく指先と耳の感覚だけでやります。すこし注意が必要でした。耳栓とワイヤーの繋ぎ目を折らないように加減しながら慎重に押し入れます。左の耳栓は高さ  4ミリくらい、形がやや開いていて穴の奥までは入りません。押し入れても穴の入口付近にとどまって、引っ掛かる感じです。そのせいか耳栓を左耳にセットするのは簡単ですし、寝る前に耳栓を穴から取り出すのも簡単です。
 しかし、右耳は違いました。耳栓の形はお碗2段、高さは左の2倍以上、その分だけ穴の奥で留まるようになっていますからセットするときはすこし奥まで押し入れる必要があります。お試し期間1週間で何とかしたいと思ったのは右耳栓の出し入れ、特にセットするときになかなか思うように入れられない。「よし、うまく入った」と、なかなか感じられないことでした。
補聴器体験記 6

6 体験期間1

使い始めた補聴器は3つのもので構成されています。1つ目、補聴器は耳の上面にのせるもの マイク、超小型コンピュータ、聴力補正プログラムなどが詰まっています。必要な音量に増幅して音を出すスピーカー機能もこの小さな補聴器のどこかにあるのだろうと思いますが私は正確なところは知りません。
2つ目はワイヤーです。糸電話の糸に当たります。形状記憶金属のようで、右耳用と左耳用別々の向きに曲がっていて耳の穴にいれやすくなっています。3つ目は、ワイヤーの先についている耳栓です。柔らかい樹脂製でお碗の形をしています。左耳用は1枚のお碗ですが、右耳用は2枚のお碗が段違いになっていて奥まで入る形になっています。
2週間のお試し期間の始まりに当たって気をつけることとしてお店の人に言われたのは、補聴器を絶対に濡らさないこと、付けたままシャワーを浴びない、雨に濡れない、濡れたら故障するとのことでした。補聴器を付けていることを忘れるくらい自然な付け心地だったらあり得るかもしれない。もうひとつはワイヤーと耳栓の繋ぎ目が切れないように注意すること、耳栓を出し入れするとき、繋ぎ目を折り曲げたり、引っ張ったりしないように気をつけましょうということでした。
補聴器体験記 5

5 初めて使う

調整してもらったばかりの補聴器を耳にしっかりつけて、通りに出ました。高校2年生のとき、初めてメガネをかけたときのことを思い出しました。街を歩いて、世界は何と明瞭に見えるものか驚いたことをはっきり覚えています。近視になっていた私にはびっくりの見え方でした。
今、耳に最新技術を取り付けて船橋の街を歩いて、高2のときと同じ感覚を覚えました。通りは想像以上に大きな音で溢れていました。いつも歩いていた通りはこれほど騒がしくはなかった。しかし、心配していた耳ざわりな騒音はとても少くほっとしました。 音量は確かに大きいのですが、キンキンと尖った音ではなく、許せる騒音という感じでした。
もうひとつ、イイゾ、と思ったこと。それは音が立体的に聞こえたことです。通りを近づいてきて、反対側に遠ざかって行く車の音が感じられて、聞こえるようになったという実感が涌いて来ました。
お店から我が家まで15分、初めての屋外補聴器体験ですぐに気づいたことがほかにもあります。ひとつはやはりメガネの固定がいまひとつでずれやすいことです。車にチャイルドシートを取り付けるとき、手元が滑ってメガネを掛けたまま顔を座席の背もたれにぶつけたとき以来、私のメガネはズレやすくなっていましたが、補聴器が耳の上面にかかり、さらにその上に眼鏡のモダン(耳あての部分)が乗りますので、一層滑りやすくなりました。ちょくちょく指先で前からメガネを押さえながら歩きました。覚悟はしていましたが面倒です。もうひとつは、時々カチカチと音がすることです。後になってわかったのですが、耳の上面に掛ける小さな補聴器の内部にマイクが内蔵されているのでメガネのモダン(耳あての部分)が補聴器に接触するたびに、カチカチと音を拾うのだそうです。もとはと言えば、フレームが合わなくなったとき私がそのままにしておいたからですが。
プロフィール

HN:
小畑 貢
性別:
男性
職業:
ユーザビリティ・コンサルタント
自己紹介:
株式会社ヒューマンインタフェースの代表取締役 小畑 貢です。

弊社はユーザビリティ評価及び関連サービスを提供しています。
市販の商品や開発途中の試作品(ソフトウェア含む)を対象に、一般ユーザーが使用する様子を観察、分析し、ユーザーがどの程度使うことができるか、何を改良するべきかを提案します。

弊社ホームページもご覧ください。
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