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株式会社ヒューマンインタフェース代表取締役 小畑 貢 が使い手の世界についてのお話をお送りします。
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ユーザビリティテストで、問題の見逃しをしないための最低限の知識とはいったいどういうことでしょうか。
2 被験者をどう選ぶか ユーザーのことを考えてみましょう。同じ製品でも、さっさと使える人、つまずくがあれこれ試して結局使える人、つまずくと説明書を見て調べなんとか使える人、つまずくと人に聞いて教えてもらってやっと使える人、つまずくとあきらめて使うのを止める人、はじめから使う意欲の無い人、ユーザーは製品を使うのが得意な人から苦手な人までいろいろです。 機器など道具を使う上でスキルの高い人と、低い人では大きな差があります。最もスキルの高い人達をa群、平均的な人達をc群、最もスキルの低い人達をe群、途中の人達をb群、d群としましょう。ユーザビリティテストをしたいとき、どの群の人達に被験者になってもらうか? いやいや、そんなことではなく、その製品のターゲットユーザーを被験者に選ぶべきでしょう。もちろんその通りですが、ターゲットユーザーと言っても様々な人達がいます。ターゲットユーザーをなかなか探せない場合も少なくありません。例えばタンカーや大型客船、貨物船を運転している人達はたいてい船に乗って海上にいます。手術機材を使い重病患者の手術をしている人達はとても忙しくてめったに被験者にはなってくれません。ターゲットユーザーに被験者になってもらえないというケースは珍しくありません。 予算をたっぷりかけて長い期間かけて被験者を探せば見つかるでしょうが、実際は限られたコスト、短い日程のなかで探さなければなりません。となると、ターゲットユーザーではないけれどもこの人を選ぶという妥協の必要があるわけです。では妥協する場合のポイントは何でしょうか? その話は別の機会にゆずるとして、ターゲットユーザーであると言うだけでいいでしょうか?ターゲットユーザーの中のどんな人を被験者に選べばいいでしょうか。被験者の人数は仮に5人~6人として考えてみましょう。 ひとつ目の考え方は各群からひとりずつ被験者を選ぶという意見です。ある製品のユーザーといえども道具使いの得意なスキルの高い人もいればスキルの低い人もいます。それぞれのスキルレベルから1人ずつ選べばユーザー全体の視点から使いやすさを確認できます。そう言われると確かにその通りだという気がします。 二つ目の考え方は中間のb群、d群を除いて、a,c,e群から各2人ずつ被験者を選ぶという意見、スキルレベルを典型的なレベル3つと考えれば確かにa群、c群、e群の3つになります。それぞれ2人なら各群1人よりデータとしては安心です。こちらの意見の方がより正確に確実にユーザー全体のデータが得られるようにも思えます。 三つ目の考え方はc群からだけ被験者を選ぶという意見。ひとつの群から1人か2人では結果の信頼性には疑問が残ります。平均的スキルのc群、5人であれば製品が使いやすいのか、そうでないのかより正確な結果が得られるように思います。 どの意見もそれぞれなるほどと思わせるものがあります。さて、どういう考え方で被験者を選ぶべきでしょうか。 ところで、製品開発、システム開発の過程でユーザビリティテストをするとき、その目的は何でしょうか?ほとんどの場合、そのままの仕様では発売後に発生する使い勝手上の問題を発見することを目的としています。では、問題は誰が起こすでしょうか? 製品を使うユーザーの中で、どういう人達が問題を起こし、どういう人達は問題を起こさないのでしようか? まず言えること、問題を起こすのはまるで機器や画面など道具使いの苦手な人、機器などを使うスキルの低い人達です。私たちの身の回りを見渡せばなるほどそうに違いないと思うはずです。 しかし、スキルの低い人達であってもスイスイ使えて全くつまずかないこともあります。例えば、ある人がたびたび、自分の携帯電話で目覚まし用のアラーム機能を使っているとします。この人に被験者になってもらって、その人の携帯電話を使い、アラーム設定のタスクをしたらどうでしょうか?当然その人はスムーズに使えるでしょう。 携帯電話のアラーム設定タスクに隠されている使い勝手の問題を洗い出すとき、その製品で毎日アラーム設定を繰り返し使っているような人を被験者に選べば、当然ながら、問題は見つかりません。潜んでいた問題は見逃されてしまいます。 では、問題を起こす人は、スキルの低い人達だけでしょうか? PR | プロフィール
HN:
小畑 貢
HP:
性別:
男性
職業:
ユーザビリティ・コンサルタント
自己紹介:
株式会社ヒューマンインタフェースの代表取締役 小畑 貢です。
弊社はユーザビリティ評価及び関連サービスを提供しています。 市販の商品や開発途中の試作品(ソフトウェア含む)を対象に、一般ユーザーが使用する様子を観察、分析し、ユーザーがどの程度使うことができるか、何を改良するべきかを提案します。 弊社ホームページもご覧ください。 最新記事
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