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株式会社ヒューマンインタフェース代表取締役 小畑 貢 が使い手の世界についてのお話をお送りします。
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ターゲットユーザーにテストの被験者になってもらえず、被験者を探すのが困難なことはよくあることです。医療機器のテストにはドクターが必要ですが、命に関わり多忙な毎日を過ごすドクターに被験者になってもらうのは不可能に近いといえます。しかし、被験者がいなければユーザビリティテストはできません。どうしたらいいでしょうか。
代打の出番 野球と同じ代打の出番です。ドクターに代わって医療の知識のある人達、すなわち検査技士、看護師、医学部の学生さんにお願いします。薬剤師であれば薬学部の学生さん、以前に薬剤師として最近まで仕事していた主婦にお願いします。コンビニのレジを使う店員であれば最近までバイトでやっていた学生や主婦にお願いします。このような人達はターゲットユーザーと同じような基礎知識をある程度は共有しています。彼等にタスクに必要な最小限の知識を与え、ユーザビリティテストに臨んでもらいます。必要な最小限の知識とは例えばこんなことです。入院患者の世話をする看護師さんの代わりに若い女性に被験者をお願いするとき、 医療ミスとその結果の重大性、具体的な影響について知識を与えます。そうすることで自分の行動や判断ミスが引き起こす重大な結果を予知できるようになり、ある程度は迅速でかつ慎重な態度が生まれます。但し、彼等はあくまでも代打ですから当然、マーケティング面の質問は意味がありません。 会場を変える 地域によってはターゲットユーザーがユーザビリティテストに参加してくれるところもあります。もし、あなたの会社が大都市圏から外れた場所にあるなら、テスト会場を変えることで適切な被験者を確保できる可能性があります。首都圏にはいろいろな種類の人々が住み活動しています。 遠隔テスト 評価対象がパソコン上で動くソフトウェアであれば遠隔テストという方法があります。実際のテストは被験者を集めやすい首都圏で行い、自社のオフィスにいながら観察できます。 テスト現場での観察と全く同じというわけにはいきませんが、首都圏でユーザビリティテストをする様子を、遠く離れた場所にいながら、ほぼリアルタイムで観察し、結果を確認することができます。あなたは貴重な時間とお金を使って出張する必要もなく、時間調整できた隙間の時間を使って被験者一人でも二人でも都合のつけられた分だけ、ユーザビリティテストの様子を観察できます。 市販のネットミーティングソフトウェアを利用することができます。当社の船橋のテスト室で行うユーザビリティテストを離れたオフィスで観察する場合を想定してみましょう。テスト開始に先立って、船橋の私から観察者のパソコンにネットミーティングへの招待メールを送り、パスワードを知らせます。知らせを受け取った観察者はネットミーティングに参加、被験者が操作する画面を見ることができます。被験者と進行係の音声はヘッドホンで聞くことができます。数人で観察したい場合はプロジェクターやスピーカーにつなぐなどで対応します。 遠くの被験者を呼ぶ 自社の近くには被験者がいないが別の地域には、被験者がいる。こんなケースもあります。 例えば、東海地方ではなかなか目的の被験者を集めるのは難しいが、首都圏なら集めることができます。交通の不便な山間地域にある研究所でユーザビリティテストをしたいが被験者を集められない。求める被験者は首都圏にはいます。こういう場合はテスト会場を首都圏に変えるという案も考えられますが、逆に、首都圏にいる被験者を距離の離れた自社まで来てもらうことを考えます。被験者は観光気分半分で、特急電車や新幹線やマイカーで出掛けてくれます。被験者の旅費はかかりますが、社員が何人も出張する必要はありません。また、大勢の関係者がユーザビリティテストを観察することもできます。 車で送迎 視力に障害のある人や高齢で長い距離の歩行が困難な人、このような人達はその人の自宅まで車でお迎えに行き終ったら自宅まで送ります。 車椅子ユーザー 車椅子を使って、普通に社会生活を送っている人達も沢山います。ガソリンスタンドなどの公共施設を利用するのは健常者ばかりではありません。銀行のATMや電気自動車の充電スタンドは車椅子のユーザーにも使いやすいものでなければなりません。私はそういうための車椅子利用の被験者をお世話したことがあります。こういう被験者を探すのは、十分な期間が必要ですから早目に取りかかるようにします。 専門サービス会社を利用 被験者を探してくれる専門の会社を利用することをお勧めします。当社も同様なサービスを提供しています。以下は当社が探した被験者の例です。 ・4~6歳の幼児 ・身長90㎝から140㎝の子供、5㎝区切りごとに数人ずつ ・高齢のパソコンユーザー ・80代の人 ・特定のメーカーの複合プリンターを使っている人 ・特定のセキュリティソフトを使っている人 ・特定のグループウェアを使っている人 ・看護師さん ・宝石に興味があり、宝石を持っている人 ・システム管理者 ・上腕の周囲が40㎝以上の人 ・健康に関心のある英語圏の国籍をもつ50代の人 ・SOHOで働く人 ・車椅子を使って活動している人 ・海外旅行をよくする人 ・などなど よろしければ、当社のホームページをご覧ください。 PR コメントを投稿する
<<問題を見逃さないテストデザイン 9 ゴールの設定 | ブログトップ | 問題を見逃さないユーザビリティテスト7 よい被験者よくない被験者2>> | プロフィール
HN:
小畑 貢
HP:
性別:
男性
職業:
ユーザビリティ・コンサルタント
自己紹介:
株式会社ヒューマンインタフェースの代表取締役 小畑 貢です。
弊社はユーザビリティ評価及び関連サービスを提供しています。 市販の商品や開発途中の試作品(ソフトウェア含む)を対象に、一般ユーザーが使用する様子を観察、分析し、ユーザーがどの程度使うことができるか、何を改良するべきかを提案します。 弊社ホームページもご覧ください。 最新記事
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